2014年3月21日金曜日

アカデミア構造改革案

・外部の第三者の人間を科研費(学振を含む)審査・人事審査・学位審査に加える

 科学者の中には「科研費は取ってしまえば自分のもの。その使い方にとやかく言われる筋合いはない。外野がいちゃもんをつけるのは、私が行っている崇高な研究・学問の自由の侵害だ。」というような見識の人間がいる。研究者には、閉じた世界にこもっているので常識のない者が多い。理研のSTAP調査の会見を見て分かるように、危機管理等が全くなっておらず、火に油を注ぐようなことしかできていない。
 科学者であろうが、社会の一員である。社会常識に照らして、行われている研究や予算執行等が適切であるかどうか、その人事や学位授与に値する人物であるかどうか、客観的な目で見てもらう必要がある。

・ラボレベルの監査を行う(任意)

 これについては、科研費や運営費などの予算執行に対する監査と適正な研究が行われているかどうか(品質管理)の監査の2点である。そして、監査を受けているラボはそれを明示することができるようにして、受けていないラボと一般人から見て、明確に区別できるようにする。特に、理研のようなプロの科学者の研究機関ならば、ラボの品質管理の維持は重要ではないかと考える。
 
・予算執行の監査
 執行残を年度内に強引に執行するのは、アカデミアでなくとも見聞きすることである。必要なものを必要な業務に使うために、行うならば理解できるが、高級家具だったり必要以上のものを購入することはいかがなものか。学振の科研費についても同様である。ある人が、パソコン等を購入して、私物化していることを又聞きし、不快な気持ちになった経験がある。

(ただし、学生や職員の福利厚生の向上の目的ならば、研究外の設備・備品等の購入は常識の範囲である程度は許容されてもいいとは思う。STAP関連で言えば、演出目的で壁を塗り替えたのならばアウトだが、研究の環境向上の目的で当初からあの色であったのならば私は許容する。)

・ラボの品質管理
 研究に詳しい専門家による監査になる。例えば、使っている実験機器の保守点検がきちんとなされており、適正な実験・解析結果になっているかどうか、使っている試薬の期限チェック、クリーンベンチやドラフトなどの設備のチェックである。経験を積み、学位を取得したプロフェッショナルな研究者のラボ(理研など)では、受ける監査のレベルは最も厳しいものにすべきである。プロの仕事なのだから当然。

【余談1】
 ちなみに、私はSTAPの問題に関連して、理研は特に小保方研について、文科省と会計検査院の監査、及びラボの品質管理の監査を受けるべきと思います。あの適当さを感じる研究から、予算等の執行が適正に行われていたとは思えませんし、実験機材・試薬・細胞株・マウスの管理が適正なのか甚だ疑問です。

【余談2】
 正直、これを唱えると、「雑務を増やされると、研究に障害が出ることが分からない愚かどもの戯れ言」というニュアンスの反論をされる方々が多いと思います。が、一度監査を受けられるような体制・帳簿管理などのシステム構築をしておく方が、「政権の方針で強制で会計検査院の監査を行う」など何らかの突発的な問題が起きた時に対応できるのでいいと私は思います。
(追記)
ただし、アカデミアの財源・人材不足についても理解しています。しかしながら、監査を受ける企業や官公庁に比べるとこういう面は適当なところが多いのは問題だと思います。

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